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今日もまた、こちらの小説、恩田陸著『鈍色幻視行』のお話です。
お薦めの一冊です。物語は、豪華客船の中で展開?され、登場人物は昨日も書いたように
そんな大勢は出てこない。しかもこの物語、二重構造?いや三重構造か?になっていて
楽しめます。こう言っては失礼ですが、物語自体は・・というか、現象的には船の中での
主にこの主人公である、文筆業の女性と、連れ合いの男性、弁護士が廻して?いくんですが
この下底に、以前に出版されたという、いわくつき?の小説本があって、それを巡る推理
であたり、回想であったりの、周りの映像関係者(映画等)の人たちがまたこれに絡んで
きます。・・・と、物語は読んでいただければ・・・いいか。
それらが全てこの豪華客船の中での会話でして、これって一週間ちょっと、8・9日の
クルーズだと思うんですね。
神戸を発って、昨日は最初の寄港地、中国・アモイのお話でした。
そして、今日は第二の寄港地。ホンコン!!
さて、ホンコン、香港!・・って歌がありましたよね、テレサテンか??
これがまた、上手いんですよ!!香港は誰でも知ってますし、見るべきところやらレストラン
やら、街中も楽しいところも沢山あります。小説の舞台になりそうなところも沢山
で、作者がホンコンで選んだ?香港での物語が進んでいく場所は!!
・・・まぁ、ここも有名といえば有名。ですが、当たり前ですが観光?地じゃないです
しかも、この長~い、エスカレーター、長さゆえでしょう、スピードが抑えられてて
ややかかるんです。上まで。降りてきてもそうですが。
このシーンがまた上手いんですよ!ニンゲンほかにやるこもない(エスカレーター)上
今の人だったら、ケイタイかぁ・・・、
これがまた、物語の中に上手いこと組み込まれてて、
さて、香港からは帰路・・・、ここで、推理小説よろしく種明かし!!ってな
気分もにじませて、いよいよ、船は日本へ!
物語も帰結へ・・・・。日本が見えてくる・・この数日間を振り返る・・自分たちの来し方
を振り返る・・・・
・・・というつくりの物語。愉しめました。600頁ちょいとの厚めの本でした。